キミのことを ずっと
“俺のもの”


そう言って貰え、嬉しくてドキドキしながらも


“私は彼女でも何でもない”


どこか冷静な私もいた。


「私は嫌です。それに私は本田さんの物じゃないですから」


やっぱり私は、こんな風に可愛いげがない言い方になってしまう。


もっと他にも言い方があるはずなのに。


本田さんはやっと、渋々だけど私の身体を離す。


だけど……


「この手は何ですか?」


今度は私の手を握っていた。


「ん?玲子さんを逃がさないように」


本田さんは、にこっと笑って


「行こう」


そう言って、手を繋いだまま歩き出す。


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