キミのことを ずっと
春の陽気に包まれた、この季節。


それは突然訪れた。


月に2、3回、うちの会社に取引先である電化製品の会社の人が、打ち合わせなどに来る。


いつもは1人なのだが、今日は若い男の人も連れて来て、うちの社長と話している。


私がお茶を出しに行くと


「あっ、紹介するよ。今度から青山くんの代わりにうちの担当をしてくれる、ほんだ……」


「本田 俊介(ホンダ シュンスケ)です」


うちの社長に紹介された彼、本田さんは名前を言いながらスッと立ち


「よろしくお願いします」


笑顔で右手を差し出した。


「ここの事務をやっています、森本です。よろしくお願いします」


持っていたお盆を脇に挟み、私は本田さんと握手をする。


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