Blood Smell
やっぱり
エリザベスが言ったことは本当だったんだ…


先生の

フィアンセ…婚約者



「俺は…たぶん一生、冴を傷つけたお前を許せない。だけど
フィアンセのお前を苦しめたのは、冴じゃない俺だ。」


先生が目を伏せる

エリザベスが求愛に満ちた瞳で先生を見つめていた


私はただ
その光景を目に写すだけ
胸に走る激痛が私の呼吸を乱す


「エリザベス。
もっと早くにこうすればよかったな?
そうすれば、ここまでお前を苦しめずにすんだ。」


優しく微笑む先生
今にも先生の胸に飛び込んでいきそうなエリザベス


地面に這いつくばってる私

惨めだ

先生とエリザベスが抱き合うのを見ることになるなんて…
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