Blood Smell
太陽が傾き始める頃私たちは海から上がった

散々遊んで
春奈も私も髪もメイクもびしょ濡れ

入道雲を見上げて
差し入れでもらったラムネを飲んだ

「ヤッバー・・・沁みるぅぅ~」

「春奈、オヤジくさっ!」

「えーいいじゃん☆」

二人で話していると数人のグループが声をかけてきた

「よっ、遠藤に中野!」
クラスメイトの男たちだった

「あぁ!
なに、あんた達も来てたんだぁ。」

春奈はクラスの男と話し出した

私もそれに混ざる

「河合クン、その海パンやばくない?」
私は思わず河合神(かわいしん)の海水パンツを見て
噴出した
太ももの部分にアニメキャラがプリントされている

「はぁ?
カッコイイだろ。おしゃれだよおしゃれ。」

河合クンは恥ずかしがる様子も無く
私達にそれを見せ付けた

皆で爆笑する

「なぁ、俺らこれから遊びに行くけど
二人も来る?」

「えーどうしよっかぁ?春奈?」

春奈はすでに行く気が満々だった
私の質問に「行く!」と即答した

私はまた笑ってしまった

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