Blood Smell
細くて長い白い指が
英文の上をなぞる・・・

「I hope you can.....」

滑らかに読み上げる
まるで歌のよう


「いきなり全部訳そうとするから分からなくなるんだよ。
まずは、文章を区切る。」

スラッシュを入れて英文を区切っていく先生

「I hope~で、私は~を願うって訳す。
ほら書き込んで。」

先生のてきぱきとした指導で私は英語を終わらせた

「すごいよ!
先生、英語の先生よりも教えるの上手いじゃん。」

先生は軽くため息をついて
私の頭にポンッと手をおいた

「英語の白石先生に同情するよ・・・。
俺はクウォーターだから、英語は第二の母国語なんだ。」

「えぇ?そうなの??」

私は先生を見上げた
確かに髪や瞳の色は日本人とは違うキャラメル色

「黄色人種のヴァンパイアは少ないんだよ。
もともと俺たち種族はヨーロッパ生まれだからな。
俺の爺さんはイギリス人。婆さんは日本とフランス人のハーフ。」

「すごい血筋なんだね・・・。」

私はまるでおとぎ話を聞いているようにワクワクしていた
吸血鬼のおとぎ話・・・
先生は人間の私と恋に落ちる・・・

むふふ・・・


って妄想している場合じゃない!!

気がつけば先生はベッドで本を読んでいた

「お。空想世界から帰ってきたのか??」

私の視線を感じて先生はイタズラに笑った

げっ・・・バレてる・・・
女の子は皆妄想好きなんです!!

私は心の中で反論する
声に出していったら・・・

どうなるかなんて考えたくもない(苦笑)

先生は怒ると怖い
もちろん人間ではない恐ろしさも踏まえてるけど・・・
先生は
性格が・・・黒いと思う


最近気づいた事実・・・

ヴァンパイアってみんなこうなのかな??
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