Blood Smell
「なんかお腹すいたな・・・」

私は小腹が空いて椅子を立った

「先生も何か食べる?」

先生は変わらず本を読んでいる

「いや、いらない。」

私はそこでピンっときた

そういえば、先生が
何か食べているところを見たことがない

学校では弁当は全部食べてくれなかった・・・

何でだろう?
やっぱり・・・・


私の中で
ブロンド美女の生き血を吸ってる先生の
ヴィジョンが浮かんだ

サーッと背筋が冷たくなる

「どうした?」

先生が不思議そうに私を見ていた

私は意を決して先生に尋ねた

「先生は・・・何も食べないの?」

私の緊迫した空気とは裏腹に
先生は平然と答えた
「食べるよ。」

私はもう一歩
ヴァンパイアの世界に足を踏み入れる

「・・・何を?」

そこで先生がゆっくり私に視線を向けた

目の色が一瞬にして赤くなった
そして口元から鋭い牙をの覗かせ
妖艶に微笑む

「美女の生き血・・・」

ゾクリッ
人間がもし自己防衛本能があるとするなら
きっとこういう感覚を言うんだろう

私の体は自然と身構えて
冷や汗がドッとあふれ出した

鼓動が煩く頭に響く・・・

「冴?
鼓動が早いな・・・・。

ごめん。

怖がらせるつもりはなかった。
少しふざけ過ぎた・・・。」


先生はいつもの姿に戻る

そして
ゆっくり私に手を伸ばした

私の体は過敏に反応する

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