人心は、木漏れ日に似る
と、沖下の視線が滑るように海里へ流れる。


「君も?」


沖下は、海里へ穏やかに問うた。


「君は、どうするの?」


海里がしばらく息を吐く間、ほのみと沖下はじっと待っていた。


「探しには、行きますけど。

その前に江上さんの、顔と名前を教えてもらえます?」


あ、とほのみは間の抜けた声を上げる。


「私も知らない」


沖下は目を見開いた。

「……あなたたち、江上さんの班じゃないの?」



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