人心は、木漏れ日に似る
ほのみは、困ったように首をかしげて、説明する。


「ラリーの後、巻校の子が話してるのを聞いたんです。

どこかの班で、班員がばらばらになっちゃったところがあるって。

玄関で、帰ってきた人をチェックしてる先生も、なんかトランシーバー?で深刻そうなこと言ってましたし。

今探してる、とか、まだ帰ってない、とか」


どうもほのみは、「星園の生徒が帰って来ない」という話を、小耳に挟んだだけらしい。


そうだったの、と沖下はつぶやく。

その言葉はとても静かで、どこか寂しそうに聞こえた。


が、沖下に浮かんだ寂しさは、すぐに微笑みに取って替わる。

ちょっと待ってね、と柔らかく口角を上げると、沖下は詰め所の机に向かった。



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