あの日
第5章
 それから俺は、何もする気が起こらなくなった。
 前までなら打たれたぐらいではこんな風にはならなかった。
 家族も気をつかっているのか野球の話をしなくなっていた。
 周りの友達も同じだった。
 だがこいつは違った。
 「さとし~~く~~ん、あそび~ましょ~」
 幸次・・・だ。
 「うるせーよ」
 「さとしく~ん、野球しようよ~」
 「いやだ」
 「なんでだよ~、野球しない智なんかただのなまけものだよ~」
 「別にただのなまけものでいい」
 「いいからいこーぜ!」
 「・・・わかったよ」
 そして、俺は無理やり連れて行かれた。
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