あの日
「なあ智」
 「ん?」
 「高校で野球やるんだろ?」
 「わかんない」
 「でもさ智、推薦来てんだろ?」
 「・・・」
 実際強豪校からきている。
 毎日のように電話がかかってくる・・・
 「推薦は受けねえよ」
 「ふーーん、じゃあやっぱ聖堂か?」
 「ああ。」
 「由紀ちゃんは?」
 由紀とはあれから1回だけしか連絡を取っていない。
「新星女子だと」
 「ふーーん」
 「そうゆうことでじゃあな」
 「おい、智」
 「ん?」
 「おれは、由紀ちゃんのためにも野球は続けたほうがいいと思うぞ」
 「由紀のため?」
 「ああ、俺の友達から聞いたんだけど、由紀ちゃんあれから友達ともあんまりはなさなくなったらしいぞ」
 「・・・」
  「まあ、お前が決めることだ、しっかり考えろ。だが俺はお前を信じてる、お前が由紀ちゃんを何回も泣かせないことを、じゃあな」
  「ああ、じゃあな・・・」
  (由紀のため・・・か)
  それから月日がたち、俺の隣には笑顔の由紀がいた。 
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