ただ今、政略結婚中!
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食事を終えて、部屋に戻る途中でホテル内のショップを見ながらぶらついていた。


「あと、どのくらいここにいますか?」


「まだわからない。条件で少しごねられているんだ」


食事をしながら、カンクンへ来た目的を話してくれた。


紫藤不動産はこのホテルを買収する予定らしい。


こんな大きなホテルを紫藤不動産は買収って、すごい話だと感心していたけれど話は難航しているみたい。


それなのに、付き合ってくれた隼人さんに申し訳なくなった。


「ごめんなさい。大変なのに観光に行ってくれて……」


「どうした?やけにしおらしいな?」


またからかう言葉が出る。


返答に困ってしまう。


「亜希?」


彼の私を呼ぶ感じが好き。


あ~だめ。心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてきた。


「あ、あの、か、買いたいものがあるので、先に部屋に戻って下さい」


ちょうど色とりどりの水着がかかっているウィンドーの前だった。


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