ただ今、政略結婚中!
「ありがとう。明日、航空券が取れたら行ってくるね」


涙を堪えて、隼人さんに微笑みながら言う。


「明日か……わかった。気をつけて行って来いよ。それから、チケットは秘書に取らせる」


「うん。ありがとう。着替えてきてね。すぐにお夕食だから」


堪えている涙が今にも零れそうで、急いで言うとキッチンに向かった。


御飯とお味噌汁をよそい終わった頃には、平静を装うことが出来た。


テーブルに着いて、隼人さんを待つ。


いつもより着替えに時間がかかっているみたい。


ドアが開き、携帯電話を耳に当てながら隼人さんは姿を見せた。


その姿は見惚れるほど、カッコいい。


「わかった。ありがとう」


そう言って電話を切る隼人さんを、記憶にとどめるように見つめていた。



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