ただ今、政略結婚中!
「なにがあったのか話せる?向こうから何も連絡がないんだから、幸せに暮らしているとばかり思っていたわ」


麗香が膝の上で組み合わせた手に手を重ねる。


「私じゃ……エステルにかなわないから……帰って来た……」


話していると涙腺がどうしても緩んでしまい涙が出て来てしまう。


「亜希……エステルって誰?」


「モデルのエステル・コーワン……」



******



ニューヨークに行ってから、カンクンに行くまでのことを話した。


話していると、酸欠状態なのか唇が震えて仕方がない。


麗香がそんな私を心配そうな表情で見ている。


視線をテーブルに移して、おもむろに麗香が立ち上がりコンビニ袋から腐ったおにぎりを取り出す。


「まったく!話はあとで。食べに行くわよ!」


私の腕を掴み立たせると、部屋の鍵を手にしてドアへ向かった。


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