ただ今、政略結婚中!
今は、納得はしてくれるはずがない。


理由がわからないのだから。


でも時間を置けば、私のことなんて何とも思わなくなるはず……。


「うう……っ……」


堪えていた涙は電話を切った途端、頬を濡らした。


その後、号泣の言葉がぴったりなほど泣いていた私だった。



******



ハンバーグを作っていて、麗香が帰って来たのも気づかなかった。


ボウルに種を叩きつける作業をしていて、麗香がキッチンの入り口で立ち止まるのも分かっていなかった。


「それ以上やったら美味しいものも、美味しくなくなるわよ」


その声に肩が大きく跳ねる。


「きゃっ!びっくりした。お、お帰りなさい」


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