ただ今、政略結婚中!
翌日、私は麗香のマンションを出て実家に戻った。


紫藤家に行かなくて済んだのは、隼人さんが根回ししてくれたせい。


ニューヨークで体調を崩し実家でゆっくり休ませてほしいと。両家に連絡を入れてあった。


何から何まで用意周到な人。


頭の良い人だから、きっと乗り越えられる。


そう思っても、毎日、エステルの本が心配でインターネットで検索する日々を過ごしていた。


私が日本に戻って来て2週間経つけれど、自叙伝の話題はでない。


書店にも行ったりして、何度も確かめる。


それが毎日の日課だった。


心配しているのに、隼人さんから電話がひとつもない。


信じて待っていてくれ……って、何も連絡がないのはよい方向に進んでいるから?


今日もエステルの話題はなかった。


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