ただ今、政略結婚中!
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母屋での夕食に珍しく誠也さんがいた。


食事中の話題は、会社での隼人さんの人気。


会社の中枢とも言える経営企画本部の本部長として配属された隼人さんは、魅力的なルックスが、さっそく女性社員たちの注目の的だったらしい。


大学を卒業して入社した隼人さんは本社に勤務したのは1年ほど。


ニューヨーク支社に異動したため、ほとんどの社員は隼人さんを知らない。


特に女子社員は。


左の薬指の指輪の効果もほとんど用をなさない状態で、次から次へとお茶やコーヒー、お菓子を持ってくる女子社員に困っていたって。


隼人さんが女性の対応に困るなんて想像できない!


最初の頃、私にみせた横柄な態度はどこに行ったのっ?……と心の中で誠也さんの話を聞きながら思った。


「まあ、邪険に扱うと女性は怖いからね?そこのところはさすがによくわかっているよ。でも、亜希さん。隼人が愛している人は君だけだからね」


誠也さんが何気なくフォローしている。


私の不安をかきたてたのは、誠也さんなのにっ……。


猫をかぶった隼人さん……じゃなくて、猫をかぶった豹の隼人さんだ。


自分に近づく女性を鋭く観察しているに違いない。


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