ただ今、政略結婚中!
本当に付き合っている人がいないのかしら……?


男の色気とでもいうのだろうか、女性が放っておかない、そんな雰囲気を持った人だった。


幼い頃の憧れがよみがえる。


嫌じゃない。


隼人さんと結婚してもいい気持ちになってきていた。


それに私が結婚すれば、パパの会社は助かる……。


でも、その気持ちはすぐに思い直すことになった。



******



「隼人にはもう話をしてあるんだよ。電話で話してみるといい」


夕食に招かれて緊張しながら食事をしていると、おじ様が言った。


「は、はい……」


返事をしたものの、こちらで18時すぎ、ニューヨークは何時なんだろう。


全く見当がつかず、おじ様が電話をかけるのを見ていた。


数回のコールで彼は出たらしい。


「亜希さんに代わるからな」


そう言っておじ様は私に携帯電話を差し出した。








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