ただ今、政略結婚中!
「す、すみません!」


「いや こちらこそすみません」


若い男性の声だ。


「亜希ちゃん、大丈夫だった?」


「あ、はいっ」


健ちゃんがふらついた所を支えてくれた。


「お!知り合いか?……阿部の彼女か!やるなぁ~ 彼女、連れて忘年会ってことは結婚が決まったんだな」


私にぶつかった男性は、健ちゃんの同僚みたいで、驚くことに想像を膨らませ過ぎている。


「え?いや、違うんだ」


健ちゃんは慌てて否定するけれど、その男性は「いいから、いいから」と言って私達の肩に手を置いて中へと進んでいく。


どうしよう!変な方向に行っちゃってる……。


個室に向かう廊下を押される様に歩かされながら、私は困り果てていた。


まだ隼人が部屋にいない事を祈ろう……。


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