ただ今、政略結婚中!
「言葉なら心配いらない。隼人が仕事をしている時間は暇だろう。語学学校へ通えばすぐに話せるようになる」


そう簡単に言いますが……今まで何年間英語を習ってきたと思っているんですか?


それなのに苦手なんですから、きっと無理だと思います。


「そうねぇ。離れていては子作りも出来ませんものね?」


義母の言葉に、やっと赤みが治まった私の顔がもう一度赤くなった。



******



別宅に戻った私は箱を投げつけたい衝動に駆られたが、実際の行動は静かに真っ白なテーブルの上に置く。


絶対にみんながいるところで開けると思ってこんなもの贈ったんだ。


ため息を吐きながら箱を開けて、恥ずかしい布きれを手にする。


これって、身に着けてもスケスケで……スケベランジェリーじゃないっ。


こんなものを贈るなんて、どんな神経しているのよっ!


一生身に着けられない。


本当にセクハラ男だ。


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