ただ今、政略結婚中!
その後、笑いの止まらない誠也さんは「私も裕美に送ろうかな」と言って裕美さんをからかっていた。


私の右の薬指に先ほどのピンクダイヤの指輪が光っている。


左指にもダイヤモンドの結婚指輪がはめられているから、重ねずに右手にしてみてはどうかとお義母様に言われたからだ。


夕食を食べながら、どうしてこんな指輪を贈ってきたのか考えてしまう。


結婚生活を続けるつもりがなさそうな人が、高価すぎる指輪を贈る?


しかもわざわざ警備員を付けて航空便で贈るなんて信じられない。


そんな面倒なこと、しそうにない人なのに……。


「――みてはどうかと思うんだが?亜希さん?」


「えっ!?は、はいっ?」


義父の呼ぶ声にハッと我に返る。


「ハハハ、隼人のことでも考えていたのかな?」


楽しそうな笑いが返ってくる。


「……」


考えていたことは考えていたけれど……想像とは全く違うんですよ。


「な、なんでしょう?」


「隼人の所へ行ってみたらどうかと言ったんだよ。すぐに本社へ呼び戻すつもりだったのだが、大事なプロジェクトで交渉している最中だから帰れないと言われてしまったんだよ。ふたりがこのまま離れて暮らすのは良くないだろう?どうかね、しばらく行ってみては?」


隼人さんの所って……ニューヨーク……私に海外に住めと……?


英語が苦手な私は戸惑う。



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