ただ今、政略結婚中!
「ジョン、また月曜日に」


腰に置かれたままの腕に力が入って自然と足が前に進む。


強引に出口に誘導され、顔だけ振り返ると私はペコッと頭を下げた。


お店の外へ出ると、腰に置かれた手が外された。


支えが無くなって、私は足をふらつかせた。


何なのよう……。


酔っ払いを突き放すなんてっ!


「もうっ!歩けまれん!」


日本でも歩道の真ん中で座り込んだことがないのに、ニューヨークの街中で羞恥心もなく座り込んだ。


「……」


隼人さんはペタンと座り込んだ私を見て深いため息を吐くと、目の前で腰を下ろした。


「手を首に回せ」


私は素直に手を伸ばして隼人さんの首に腕を回した。


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