記憶の桜 -栄枯幻世-
「器量も手際も良いし、涼ちゃんは良い嫁さんになりそうだな」
「な、何ですか、永倉さん!薮から棒に!」
そんな事を言われたのは初めてだから、恥ずかしくて顔に熱を持って行く。
「俺は思った事を言っただけだぜ。ん?どうした、涼ちゃん。顔が赤いぜ」
「赤くありません!」
私は照れ隠しの為に、永倉さんの持つ猪口を奪い、一気に飲み干した。
「お、おい!」
あぁ…、頭がくらくらする…。
そこで、私の記憶は途切れた。