記憶の桜 -栄枯幻世-
「刀が握れなくたって、山南さんは山南さんです。新選組には貴方が必要なんです。だから、そんな哀しい事、言わないでください」
私は山南さんの左手を握った。
すると、彼は力の入らない左手で私の手を握り返してくれる。
山南さんの手は優しくて、温かかった。
「ありがとう、葛葉君。君がいてくれて良かった」
彼は私に向かって、微笑んだ。
この笑顔は私が見た最後の山南さんの笑顔だった――。