記憶の桜 -栄枯幻世-
「何か用ですか?」
「貴女、今の新選組をどう思っていますの?」
今の新選組…?
何故、そんな事を聞くの?
「特には…」
「不安などは無いのかしら?」
「私は新選組にいたいからいるんです。不安なんて、ありません」
「だとさ、伊東さん。残念だったな」
肩に手が置かれたかと思うと、挑発的な原田さんの声がする。
「原田さん!」
声の主である彼は巡察に向かう途中なのか、浅葱色の羽織を身につけ、武器である槍を持っていた。