記憶の桜 -栄枯幻世-
「よし、決めた。葛葉君、君は今日から此処に住みなさい」
「「はっ!?」」
私と土方さんの声が綺麗に重なった。
近藤さんの突然の提案に私は呆気を取られ、思考が追い付かない。
「何言ってんだよ、近藤さん!気付いてるか分かんねぇけど、こいつは女だぞ?こんな男所帯に置けるか!?」
「女…!?」
近藤さんはまじまじと私の顔を見て、はっとしたように目を見開き、うなだれた。
私は今、紺色の着物に袴を身につけ、腰のあたりまである髪を高い位置で結っている。