あたしの彼は『ヒドイ男』
目の前が真っ暗になって、足元の地面が抜けてどこまでも落ちていくような感覚。
手に持っていたスマホが、音を立てて床に転がった。
「ねぇ、カズ! どういうこと!? なんでミナとこそこそ連絡取って、会おうとしてるの!?」
逆上した私がカズの肩につかみかかると、カズはあしらうように軽々とその両腕をつかまえて、ため息をついた。
「落ち着けよ。俺、ヒステリックな女、苦手なんだって」
そのうんざりした表情に、さらに神経を逆なでされた。
どうして?
どうしてそんな平然としていられるの?
浮気がばれたんだから、もっと必死になって取り繕って言い訳してよ!
ごめんって、謝ってよ!
ねぇ、カズ……!!