カナリア鳴く空
激しくすれば激しくするほど声をあげる優衣は、かわいい以外何もない。

愛しい以外の感情は何も浮かばない。

「優衣、どうしたい?」

答えはわかってる。

でも、あえて聞く。

聞かれた優衣は、恥ずかしそうに目をそらす。

「黙ってちゃ、わからないよ?」

耳に舌をはわせてイジワルくささやけば、それだけでも躰は震えた。

「――っと…」

優衣が何かを言った。

「んっ?」

「――もっと…。

もっと、いっぱい…」
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