カナリア鳴く空
熱に浮かされた潤んだ瞳に、うっかりしたら聞き逃してしまいそうな小さな声。

「――もっと…誠司さんが、欲しい…」

優衣が、呟くような声で言った。

ああ、かわいくて仕方がない。

「素直でいい子だね」

そう言いながら激しくすれば、
「――あっ!」

優衣は躰を震わせた。

「ああ、悪い子の間違いだった」

激しくすれば、優衣の躰が震える。

その分、あげる声も大きい。

「――ッ、ああっ…!」

優衣が果てる。

同時に、私も果てた。
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