カナリア鳴く空
優衣が涙目で私を見つめる。

にらんでいるつもりか?

涙目でにらんでいても、逆効果にしか過ぎない。

「すぐによくしてやる」

そう言った私に、
「――もっ…」

優衣が言い返そうとしたその時だった。

「ただいまー」

その声と玄関のドアの音に、私たちは驚いた。

何で朝香が…!

優衣がティッシュを差し出す。

躰を離した後、お互い何もなかったような顔をした。

「いやあ、お腹すいたー」

ガチャッと、リビングのドアが開いたと思ったら朝香が入ってきた。
< 146 / 209 >

この作品をシェア

pagetop