カナリア鳴く空
…疑いたくなった。

心の底から神様を恨んだ。

好きな人が娘になったことを、心の底から憎んだ。

朝香が私の前にきた。

優衣が見ている。

見せたくない。

お前だけに、見せたくない。

――優衣…

彼女の名前を叫びたい気持ちを、心の底で押さえる。

同時に、優衣への思いを封印する。

――優衣は、私の娘

ステンドグラスの聖母マリアにそう誓った。

優衣を、娘として接すること。

自分の気持ちを伝えないこと。

そう自分に言い聞かせると、朝香と口づけを交わした。

何度も何度も、自分自身に言い聞かせながら。
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