カナリア鳴く空
「おかえりなさい、誠司さん」

わたしの声に気づいたと言うように、誠司さんは視線を向ける。

「ただいま。

それと、いい?」

そう聞いてきた誠司さんに、首を縦に振った。

誠司さんの後ろをついて行くように入ったのは、寝室だった。

何だか、すごく久しぶりのような気がした。

だって、何日もなかったら。

とても疲れた様子で、誠司さんはベッドに腰を下ろした。

そりゃ、そうか。

酒乱状態のママが相手なら、誰だって疲れるよね。
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