カナリア鳴く空
ふと、思い出す。

あの時――私が優衣を激しく抱いた、あの時。

私はちゃんと、避妊具をしていたのだろうか?

ちゃんと、避妊具を身につけていただろうか?

優衣がヒステリックになっていて、それどころじゃなかったことを思い出す。

――そうだ、つけていない…。

優衣の気分が悪いのは、まさか…。

そう思った私は、優衣の後を追った。

彼女はトイレの前にいた。

廊下に座り込み、激しい運動をした後のようにはあはあ息を吐いている。
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