カナリア鳴く空
そう聞いてきた私に、優衣は首を横に振った。

「えっ?」

その答えに、私は驚きのあまり思わず声が出てしまった。

「――妊娠、していませんでした…」

蚊の鳴くような小さな声で、優衣が言った。

「…して、いなかった?」

聞き返した私に、優衣は首を縦に振ってうなずいた。

「想像妊娠だったみたいなんです。

わたし、心のどこかで誠司さんの子供が欲しいって思っていたみたいで。

わたしに子供ができれば、誠司さんはママと別れてくれるのにって。

だから…つわりとか、妊娠初期の症状みたいなのが」
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