カナリア鳴く空
「――お願い…。

早く、誠司さんをください…。

誠司さんが、欲しいんです…」

「優衣…」

名前を呼んだのと同時に、私は優衣の唇を奪った。

「――んっ…!」

もう、止まらなかった。

優衣が欲しい。

優衣が欲しくて、仕方がない。

「――誠司さん…!」

優衣が、私に感じてる。

「――優衣…」

私は、求める。

何度も何度も、彼女を求める。

「――あっ…誠司、さん…」

今まで隠していた気持ちを、全部出すように。
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