カナリア鳴く空
「――やっ、ダメ…」

誠司さんの指が、私の敏感なところに触れている。

「――ここ?」

「ああっ…」

その指に、感じてしまう。

同時に、嬉しくなる。

誠司さんに触れられているのだと思うと。

誠司さんに愛されているのだと思うと。

「――優衣…」

さっきまでの快楽とは打って変わって、下半身に痛みが走る。

その痛みすらも、嬉しく感じた。

「――誠司さん…」

もっと触れて。

もっと愛して。

わたしは、あなたしかいらないから。

あなたしか、愛せないから――。
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