カナリア鳴く空
あなたを愛したことを後悔していない。

あなたと結ばれたことを後悔していない。

たとえ、世界中の人に恨まれたっていい。

たとえ、世界中の人に嫌われたっていい。

わたしは、誠司さんしかいらないから。

誠司さんのためなら、どんな罰を受けても構わない。

「――誠司さん…」

「――優衣…」

「――あっ!」

頭の中が真っ白になる。

誠司さんを抱きしめているその腕を、さらに強くする。

「――誠司さん…」

誠司さんが、わたしを見つめる。

「――愛して、ます…」

その言葉に答えるように、誠司さんが額にキスをくれた。
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