Tricksters2ッ
天下のジャニャリーズに分け目無用


────ホテルヲータクの一室で、皮のソファーに深く座った七三野郎。もとい、香月峻。

「君は、うちの子会社のレセプションを邪魔して何が目的だ?」


 
 俺は香月峻から少し離れたところに立たされている。その座り心地の良さそうなソファーに座らせてくれるつもりは、なさそうだ。峻の手の中には、びっくりっぷ。



「目的なんてねーよ。お前らがウチの商品パックてんだろ。そっちこそ何が目的だ? 吐けよ七三野郎」


 両脇にいた警備員が俺のわき腹を小突いてきやがった。


「口のきき方に気をつけろ」


 峻は顔を赤くさせて七三の分け目を手で隠した。


「これは七三じゃない! トレンドだ!」



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