Tricksters2ッ


 このマンションだって高級マンションなのに、ゼンとこと比べるとちょっと引けをとる。

 でも俺には十分だけどな。



 部屋の鍵を開こうとすると、ノブが勝手に回った。



「遅かったじゃないですか! 何していたんですか!」



 中からは、トリックスターズ販売促進部佐藤ちゃんが出てきた。



「ってか、なんで俺の部屋に勝手に入ってんだよ!」


「所長が、私に真部所長代理の部屋の合いカギを貸してくれたからです。『自分の部屋だと思って使ってくれ』って」


「それ、なんかおかしくないっすか?」



 ぐっ、あの野郎。消えてもムカつく存在に変わりない。



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