Tricksters2ッ

 
 李花が目を閉じた。薄茶色の柔らかい髪を何度か撫でて、顎に手を添える。

 薄く開いた唇を奪う。


「李花が好きだ」


 もう一度キスをする。




「李花ちゃん、お茶とケーキよー!」


 ゲッ!?アブねー!


 李花の母親が甲斐甲斐しく、ケーキとコーヒーを運んできた。


 見られてないよな?

 見てないよな?



「淳一くん、所長代理になったのよねー! まだ若いのに感心しちゃったわぁ。昇進祝いしてあげようと思っていたのに、うちの人の銀行でバタバタしててできなかったのよ。ごめんなさいねー」


 李花の母親は、李花そっくりだ。少し間延びした話方まで似てる。天然気質で、こっちの動揺にかまわず喋る。

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