Tricksters2ッ
藍莉は、こたつから飛び出すと俺に抱きついてきた。
「な、なななな?」
「淳一! この前は何で逃げたのよ! もう馬鹿バカー!」
藍莉は体をくねらせて、その唇が眼前に迫り慌てて右手でガードした。
李花の前だろ!
ヤメろっての!
「遠慮しないでいいのにー!」
「遠慮じゃねーよ! 拒否だ! 拒否!」
「淳一の、意地悪!」
「じゅんちゃん、誰この子?」
隣にいた李花の大きな目に涙が溜まる。