Tricksters2ッ
「善太郎は、『淳一を好きにしていいから俺と婚約しよう』って言ったのよ」
コタツ机にゴツンと額を打ち付けた……のは、ばあちゃんだ。
話が長いからばあちゃん寝ちまったじゃねーか!
「ちょっと待てよ! なんだ、その密約は! 勝手に決めるんじゃねーよ!」
「知らない。決めたのは徳田善太郎だもん。それで、トリックスターズに乗り込んで社員に招待状を配る作戦をするように頼まれたのよ。
で、わけわかんなくなっちゃって、私は混乱してたけど、なんか面白そうだったしー」
だったしー、じゃねーよ!
「招待状を配るのが目的だったのか?」
「よくわからない。でも、私は善太郎のこと全然タイプじゃないもの。それに私が婚約したいのは、淳一よ」
藍莉がパチッとウインクした。
「俺っ!?」
「そう、クリーニング店ゴッシゴシの御曹司だもの。申し分ない相手だもん!」
「っぶ! なんだゴッシゴシの御曹司って? 香月ホールディングスも落ちたもんだな」