Tricksters2ッ


「藍莉、悪いけど俺が好きなのは李花だけだから。付き合ってる女がいるって言っただろ?」


 藍莉が不満だらけの顔して李花を睨みつけていた。



「泣くなんて、狡い!」


「狡くねーよ。李花は、李花で必死だ。おまえとは性格も逞しさレベルも全然違うんだよ!」



「私だって、必死よ! 淳一が欲しい」


「欲しい……て発言自体が無理!」


「ひど……」


 藍莉はウルウルと瞳を潤ます。けれども、すぐに「だめだ。今は泣けない……」と畳に手をついてうなだれた。




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