Tricksters2ッ


 インスタントコーヒーを紙コップに淹れてテーブルに置いたミエちゃん。

 なんで……紙コップ?

 自分たちが休憩中に使ってるジナリだかジブリだか、そんな名前の高そうなカップあるじゃんミエちゃん。

 この女、自称所長フィアンセの客だぜ?


 まあ、いいや。


「ミエちゃん悪いけど、四階の倉庫からびっくりっぱこ一箱持ってきてくれない?」

 ミエちゃんはパッツン黒髪を揺らして、物凄い形相で俺を睨みつけた。



「い や で す!
私、暇じゃないんで自分でとりにいってください!」


 断固拒否の力強い発言。


「ですよね……」


 頼んだ俺がバカでした。




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