Tricksters2ッ
「総理! ようこそいらっしゃいました。突然連絡をいただき、寿命が縮まるかと思いました」
さっき、俺が会った此処の署長がヘコヘコ頭を下げた。
総理がお見えになっちまった。ゼンの足が止まる。
正面玄関から出ようとしていた俺たちはまさに鉢合わせ状態だ。
「対面的な挨拶はいい、うちの愚息のとこに案内しろ。ここにぶち込んであることは口外していないだろうな?」
「ええ、もちろん」
タオルの隙間から、ゼンの顔色をうかがう。
「おい、どーすんだよ!」小声で聞いてみた。
ゼンは俺を無視して帽子を目深に被ると、また歩き出した。
「止まれ、善太郎」
総理の冷たい声。ゼンは舌打ちすると、諦めたようにため息をついた。