Tricksters2ッ


「どうしてって言われても、今朝俺がシャワー浴びてたら、時間ないからってアイツが入ってきて……」


 ユカリさんが怒りをあらわに、俺を睨む。


「狡い!」


 そんな怒る程のことじゃなくね?


 遠くからミエちゃんの殺人的な眼力も飛んできた。パツンと揃った前髪は、ギロチンの刃みたいだ。だけど、ミエちゃんはすぐに睨むのを止めた。


 ふぅ、命拾いしたぜ。





 ユカリさんもドレスに合わせてアップした髪型を揺らしてフンと鼻を鳴らした。




 会場を見渡すと、社員は百人以上いるから正直あまり面識のない奴もいる。


 テーブルは各部署ごとに別れていて、主賓席に集められた部長以外は、それぞれの部でまとめられている、


 どう考えても、これ披露宴じゃなくて、ただの会社の宴会だろ。その証拠にフォーマルな服装をしている人が少ない。

 どちらかというと、普段通り出社したのに、此処に連れて来られた、そんな感じだ。



 社員は、ゼンの言う通り、多分全員いる。


 まさか……とは思うけど、自社ビル爆破させたりしないよな?





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