Tricksters2ッ

「お前が逃げたせいで、俺が大変な目に遭ったんだよ! 鍋の話なんてしてんじゃねーよ!」


「まあまあ、淳一くん」


「まあまあじゃねーよ! あの藍莉とかいう女、責任もってお前がなんとかしろよ!」

 ゼンのネクタイ掴んで、前後に揺する。ムカつく、この無駄に整った顔を変形させてやろうか?

 ああ?

 テメーの尻拭いのために俺を使うんじゃねーよ。



 俺だって忙しいんだよ!



「若いって素晴らしいですな。
ぐふふ、すみません。私はお先に失礼します」

 城田部長は二秒以内にドアを開け閉めして喫煙スペースから出ていった。



「まあ、いいから。座れよ淳一」


「よくねーんだよ!」


「押し倒されて、チューされたくらいで騒いじゃって♪ もう可愛いんだから、じゅんちゃんは! 李花ちゃんには内緒にしてやるから座れよ」


 見てたのかよ……最低だな!




 我慢の限界だ。








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