Tricksters2ッ

「はい、じゅんちゃん。お水」

「ありがとう」

 

 最悪な一日ってなんなんだよ。ゼンの野郎。適当なこと言ってんじゃねーよな? 



「じゅんちゃん、どうしたの?」


「ん? なんでもない」


 李花は、今朝もフリフリエプロン姿だ。

 アイツがリビングの方へ姿を消したので、李花の手を掴んでベッドに引き入れる。



「そのエプロン、エロすぎなんだよ……昨日の夜から、俺のこと誘ってんだろ?」

「やだ、だって可愛いかと思ってつけてるだけだよ」

 李花が顔を赤くして小声で呟いた。


「可愛いすぎて、エロいんだよ。今日帰ってきたら、裸にエプロンとかやってくれんだろ?」

 ニッと笑って、耳元で囁く。その耳が可愛くてキスをする。


「じゅんちゃん! 変態!」

「静に……アイツに聞こえるだろ」


 李花の唇を優しく塞ぐ。柔らかい唇は最高の感触だ。はあ、二日酔いからちょっと回復する。




 変人に囲まれた生活の中の唯一の癒やし。李花みたいな彼女がいて、俺幸せ。


 その少し照れた顔も、髪をアップにした首筋も、朝食の炊き立てのご飯の香りがするとこも、李花は日々いい女に成長していく。


< 48 / 359 >

この作品をシェア

pagetop