Tricksters2ッ


「いらっしゃいませ。本日はヨコシマ屋本店ご利用いただきありがとうございます」
 
 気後れしつつ堂々としたゼンの後ろに続いた。

 今の俺、『ズボン破けてますよ』って言われたら『はい、そうですね』って答えてしまそうな気分だ。

 VIP専用ラウンジとかまであるぜ。知らない世界を垣間見た。


「うーん、悩むな……」


 ニコニコ顔の店員。専用ラウンジでは、毛皮のマダムのたから笑いが響き、店員数人侍らせている。



「淳一、ドレスのサイズいくつ?」


「ど?」


「ドレスでいいだろ? ユカリの代理で連れていくんだから」






 ドレスのサイズ? わかんねー。VIPの考えること、さっぱりわかんねー。




「意外と似合うと思うぞ。可愛い顔してるしな。
 八階のヘアサロンでメイクもしてもらおうな」



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