カタオモイ~特別な関係~
第一章

プロローグ

真っ白な壁、高い天井、
大きなステンドガラスから差し込む光。

その先には真っ赤なバージンロード。

永遠の愛を誓い、門出を祝う参列者。

その中に彼は居る。

変わらない笑顔がそっと
私をあの頃へと連れ戻す・・・。

この不思議な感覚は、
彼が居る限り変わらないだろう。

永遠のパートナーが出来た今も、
私と彼の間には微妙な空気が流れている。

それは他の誰にも分からない、
特別な2人だけの空気・・・。

「来てくれてありがとう。」

何年ぶりに会うだろうか、
スーツが少ししっくりきている。
前会った時は、スーツに着せられていたのにな・・・。

「やっぱりウェディングドレスはヤバイなぁ・・・綺麗に見えるのな。」

中身はずっと変わらない。
大好きだったあの頃と何一つ・・・。

「今日は仕事休み?
二次会にも来てくれるの??」

「おう。
あいつらも仕事片付いたら来るってさ。」

「そっか、楽しみだね。
じゃあ用意があるからまた後で・・・。」

彼との出会いは小学校五年の頃。
私が転校した先のクラスに彼が居た。
それが私の長い片思いの始まりだった。
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