浅葱色の羽織と共に……─時を越えた誠の愛─沖田総司ver
「ねぇ」
「なんですか?」






半分ほど食べ終わった頃に沖田さんが声をあげた。





「君の話を信じるかは別としてさ、失くした刀ってどんなのさ?」
「短いんですけど、血を浴びてて部分的に錆びてます」
「ふーん。そうなんだ」
「小太刀……で合ってるのかわからないんですけど、そんな感じのです」
「そうなんだ。見つかるといいね」
「あ、はい。ありがとうございます」
「まあ、見つかるまで生きて居られるかはわからないけど」





こうやってご飯をくれたから忘れてたけど、私は新選組の皆にとっては邪魔な人なんだ。





「どうしたの?箸が止まってるけど」
「いえ、何でもないです」






考え事を知られたくなくて、ご飯を口に運ぶ。












「ご馳走様でした」
「じゃあ、僕は行くよ。そういえば、近藤さん達が今話し合いしてるからお昼過ぎになったら君をどうするか決まると思うよ。女の子だから少しは融通が効くかもしれないけど、覚悟はしといたほうがいいかもね」
「はい……」








武士じゃないし、男の子じゃないから切腹なんてないと思うけれど、新選組だ。どんな結果を出すか分からないよね。












(どうしてこうなったんだろう)

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